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ホームNPO入門スポットライトバックナンバー>スポットライト vol1

スポットライト
 

楽しいが一番!自然が一番!
高校生の取り組みがグランプリ受賞!
第4回「川の日」ワークショップ


 
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  初日のワークショップ
公開審査にも熱が入る






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  2日目
第二次審査プレゼン
風景






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  2日目の公開審査風景
コーディネイターがエント
リー団体の活動を紹介






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  表彰式
魚部他2団体が
グランプリ受賞










「川に入るのが楽しくてしょうがない!」。という高校生の集まりが、福岡県立北九州高校(北九州小倉南区)にある。その名も「魚部(ぎょぶ)」。「魚部スーツ」に身を包み、手網を片手に「ガサガサ」する。すると、網の中には図鑑で見た魚が次々と現れる。「身近なところにこんなにいろいろいるんだ!!」、そんな驚きを楽しいと思い、多くの人たちにその気持ちを伝えようと活動している。北九州市を流れる紫川を中心に、淡水魚の生息調査をし、今では40種ほどの魚を高校で飼育して、保護に取り組んでいる。魚部の徹底ぶりはとどまるところを知らず、校庭を利用して自然を再現した「ビオトープ(野生生物の生息空間)」の池で、環境庁レッドリストで絶滅の恐れが最も強いとされる「絶滅危惧1A類」に指定されている淡水魚・ニッポンバラタナゴの繁殖に成功するほど。

その魚部が、このほど東京都渋谷区で開かれた第4回「川の日」ワークショップでグランプリ賞を受賞した。受賞テーマは、希少種イシドジョウの生態分布調査を通じた自然教育。イシドジョウは環境庁のレッドリストでも「絶滅危惧種」に指定されている全長は約5cmのドジョウ。このイシドジョウの生態分布調査レポートを有識者や行政に提出し、水行政のひとつの指標として役立ててもらう試みだ。

このワークショップ、市民・行政・企業、と立場の違う人たちが共通のテーブルにつき、「いい川とは?」を一緒に探るため、具体的な活動例を公募し、「公開審査」という形で評価しあって、「いい川」のイメージを見つけ出すことを目指している。7月7日「川の日」の記念行事として、1998年にスタートした「川の日」ワークショップは、毎回70近いエントリーと、300-400人の参加者を集める。今年は7月14-15日に、300人以上の人を集めて、68のエントリーの審査をして、魚部をはじめとして、宮城県のNPO「蕪栗ぬまっこくらぶ」と岩手県の「軽米の川と町づくりを考える会」がグランプリを受賞した。

大会委員長の森清和氏は、「高校生にグランプリを持っていかれるのもしゃく」、と冗談を言う。ワークショップに参加したグループのほとんどが大人の団体。韓国からも5団体のエントリーがあり、魚部はその中での堂々のグランプリ。楽しみながら、川の大切さを伝えようと高校生が取り組んでいること、そしてその生息調査を通した地元小学生への自然教育、市の建設担当や自然史博物館の関係者への調査結果の報告などが高く評価された。川の「タカラモノ」を見つけて、いい「ヒト」を巻き込み、流域に広がる活動は、世代を超えた影響力をもつ。絶滅危惧種を守る、という危機感と、自然のすばらしさを伝えたい、という夢が共有できている高校生の活動には、ある種の気迫さえ感じる。

ワークショップの審査には、3つの段階がある。グループ別の書類とプレゼンによる審査が第一日目にあり、2日目には、一次選考を勝ち抜いた団体による3分のプレゼンテーションが第二次審査。そして受賞活動を決める第三次審査。それぞれに川のプロたちが審査員、コメンテーター、コーディネーターをつとめ、すべての審査は公開で行われる。第二次審査に進めたのは応募68エントリーのうち、26団体。外気温35度近いなか、冷房がかかっているはずにも関わらず、汗が額や背中をつたうのが分かるほどの熱気に会場は包まれる。プレゼンテーションは、審査員の関心を惹くように、さまざまな工夫がこらされる。OHPやパネル、コンピュータで図解する団体、子どもたちがお遊戯会のようにお芝居をするプレゼン、人形劇をするところ、歌と踊りで活動をアピールする団体。衣装もそれぞれ凝っている。

魚部は、といえば、会場を暗くし、制服を着た高校生がパネルとスライドで活動を淡々と紹介。この素朴さが、かえって印象に残った。楽しさと遊び心が一致して、継続的で地道な活動をする魚部。楽しみながらエントリーできる社会貢献がすべての世代に広がっていって欲しいと思う。

*「川の日」ワークショップ
2001年7月14日〜15日 東京都渋谷区にて
主催:第4回「川の日」ワークショップ実行委員会
協力団体:全国水環境交流会、社団法人日本河川協会、NPO法人自然環境復元協会
http://homepage2.nifty.com/icas/kawanohi/index.htm


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