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ホームNPO入門スポットライトバックナンバー>スポットライト vol3

スポットライト
 


小学校の校庭を緑いっぱいの芝生に!

根付かせたい

芝生の校庭を子どもたちにプレゼントする活動




 
 
 

元気一杯に走り回る

子どもたち

 
 
 

芝生だったら

寝転んじゃえるよね







 
 

並んで

芝生のお手入れ

 
 
 

平賀小学校の

芝生の校庭

 

 

 

 

 

 

スポットライトのバックナンバーはこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「緑が少なくなった」「子どもたちに自然と触れ合う機会を」という声はよく聞かれる。また、来年度から学校が完全週5日制に移行するのを受け、子どもたちの安全な「居場所」づくりも進んでいる。そんな中、今、校庭を芝生化する動きがひそかに注目を浴びている。

 

なぜ、いま芝生の校庭なの?

成長過程にいる子どもたちの遊び場に、芝のグランドがない。「芝生の上で、思い切り転げまわって遊ぶことができたら、子どもたちは遊びを楽しむために、頭も知恵も使うようになる。遊び友達とのかかわりを通して、心も育まれる。」ファミコン片手に屋内にいるのではなく、気持ちのいい自然を目指して外にでる子どもたちが帰ってくる。さらに、芝生の校庭を開放すれば、地域スポーツクラブの練習、散歩の途中に立ち寄るなど、地域の人たちも自然と集まり、校庭が地域再生の原動力になるはず。そんな想いをもって広がりを見せているこの活動は、1999年、震災後の神戸からはじまった。

芝生スピリットの情熱

阪神・淡路大震災からの復興するため、神戸市は市民から「将来こんな町にしたい」というテーマで、『21世紀・復興記念事業』の提案を募集した。その提案の一つが「芝生の校庭を作って、子どもたちにプレゼントしてあげたい」というものだった。提案者の強い想いは復興記念事業『神戸夢プラン21』に採用され、神戸市や神戸"アスリートタウン"クラブの全面的なバックアップの下、市民ボランティアを中心に"芝生スピリット神戸"として展開されていく。そして、2001年に神戸市の復興記念事業が期限切れになるとともに、市職員など周りの声にも押されて、日本全国の校庭の芝生化を目指すNPO法人「芝生スピリット」へと段階的に発展していく。前述の「芝生スピリット」も現在、神戸を中心に5つの施設で芝生化や調査研究を行っている。そのうちの一つ神戸市立桜の宮小学校では、芝生を根付かせる2ヶ月の「養生期間」を経て、運動会を機にまもなくお披露目される。

地域のボランティアグループが、コミュニティの要として公園や街路樹を再生する社会活動がある。震災後、たった一人の想いから始まった「芝生の校庭」というアイディアが、いま、コミュニティを育むプロジェクトとして全国に広がりをみせている。

 

平賀小学校では

千葉県北部に位置する印旛村立平賀小学校。ここでは、学校が中心となって校庭の芝生化が進められた。新興住宅街に新設された平賀小学校には、現在258名の生徒が通っている。昼休みにもなると、たくさんの子どもたちがいっせいに広い芝生の校庭に飛び出してくる。転んでも痛くない校庭で元気いっぱいに走り回る子どもたち、この芝生の校庭には子どもたちの笑顔があふれている。

事の始まりは、校庭に隣接した民家や養護学校から、校庭の砂ぼこりに対する苦情を受けたことだった。自身の経験を元に、前校長が校庭の芝生化を提案。村から補正予算145万円を獲得し、芝生の専門家、保護者、学校職員の協力を得て、近隣住民が一緒になって校庭の芝生化への試行錯誤が始まる。最初は、肥料不足、害虫や病気により芝生が枯れたりしたこともあった。そんな手探りのスタートでも、校長や教職員の努力のかいあって、いまや平賀小学校は、約3,000平方メートルの芝校庭を持つ学校になった。

校庭の砂飛散防止のために始まった芝生の校庭プロジェクトだが、その副産物は想像をこえていた。子どもたちは芝の上で走り回ったり、寝転がったり、側転したり。何でも思い切りよく楽しむ子どもたちが戻ってきた。転んでも痛くない。平賀小学校の校庭には、さらにテニスコートや野球場があり、休日には地元のグラス・ゴルフの団体、少年野球、ソフトボールチーム、テニスを楽しむ人など、多くの地域住民が芝生の校庭に訪れ、地域のちょっとした憩いの場になった。休みになると親とサッカーをしにくる子どもたちもいる。校庭の維持・管理作業にも、PTAや地域住民がボランティアとして少しずつ加わり始めた。子どもたちの笑顔だけではなく、ここ平賀小学校では芝生の校庭を中心として、地域コミュニティが形成されつつある。

芝生の校庭というと維持管理がたいへんなんじゃないか?と、学校関係者はしり込みしてしまうケースが多い。平賀小学校の教頭、前川先生が言うように、「維持管理は決して楽なものではない」。しかし、「井戸を掘ることによって水道代を節約したり、最近導入した移動式スプリンクラーによって水撒き作業はだいぶ楽になりました。また、乗用芝刈り機の導入によって、最も手間のかかる芝刈りの負担もぐっと減りました。」平賀小学校は適切な道具の導入によって、維持管理の負担をずいぶんと減らした。それに、「これだけの負担が帳消しになってしまうほど、校庭の芝生化がもたらす効果は大きい。」

 

おわりに

文部科学省は昨年、「スポーツをする子どもと、しない子どもの二極化が顕著になってきた」として、「スポーツ振興基本計画」で校庭の芝生化促進を盛り込んだ。旧文部省も95年度から小中学校などの芝生化資金の補助を開始し、昨年度までに300平方メートル以上の芝を植えた学校が171校にもなる。

神戸発の市民活動として、西日本を中心に広がりを見せる校庭の芝生化。小学校という場が、校庭の芝生化により、地域コミュニティの要として再活性している。そんな中で育つ子どもたちにもよい影響があるのは間違いない。芝生の校庭、それが当たり前になる。そんな日がやってくるのは、案外そう遠くないのかもしれない。

一方で、文部科学省の補助金は初期投資に適用されるが、維持管理費は対象外。今後、学校関係者だけでなく、地域社会やPTAなど、より多くの人たちに積極的に参加してもらえるような形態が必要だろう。NPOを中心にした地域コミュニティの活躍が期待される。

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