アカウミガメがどこから来て、どこへ行くのか、実はまだよくわかっていません。そこで、1996年、メキシコからウミガメの背中に電波発信機をつけて、人工衛星であとを追うという実験が行われました。アデリータと名づけられたこのアカウミガメからの電波信号は、地球上空約850キロにある「アルゴス」人工衛星を経て、フランスにあるアルゴス社の受信センターに送られ、その信号をもとにアデリータのいる場所やまわりの海の様子が数日置きに割り出されました。アデリータにつける電波発信機には、途中で電波がとぎれないように強力な電池がそなえられ、また、深く潜っても水圧で機械が壊れないじょうぶな箱に入れられ、波がぶつかってもはがれない接着剤で甲羅に装着されました。(写真は2001年9月に高知から出発したアカウミガメです。同じ「アルゴス」を装着しています。) |