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Think
About NPO |
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NPOって何だろう?言葉の定義はそれはあるけど、言葉に込められた想いや希望は、その人や関わり方によってひとそれぞれなのでは?毎回、NPOに関わられている識者の方やオピニオンリーダーの方からそれぞれのNPO観を語っていただいています。もちろん、考え方を強制するつもりはありません。いろいろな人の考えを参考にしながら、あなたのNPO観をおつくりいただければと思います。 |
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Think About NPO Vol. 6 |
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NPOと企業。
いくつもの「へーっ!」
がパワーになる。 |
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よき「企業市民」として、企業の社会投資として、ビジネス上の「義務」として…。さまざまな理由から社会貢献活動に取り組む企業がある。NPOへの寄付やイベントの協賛、商品やスペースの提供、社員ボランティアの派遣・出向など。今回お話しをうかがった山ノ川さんも、社会貢献活動のプロとして、企業の中でさまざまなプロジェクトを担当してきた企業人の1人だ。ご本人は「カッコワルくて愚直なのがウリ。」と謙遜されるが、長期的な視点でNPOと仕事をする姿勢には定評がある。持ち前の行動力とバツグンのアイデアでNPOと社員のあいだを取り持つ山ノ川さんの、NPOへの想いをうかがった。 |
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企業だけで社会貢献をすることには限界があるので、プロジェクトを企画するときは、現場をよく知るNPOとタイアップすることがよくあります。そんな時、パートナーとして一緒に仕事をしたい団体は、「きちんとした」NPO。「きちんと」というのは法人格のあるなしではなくて、お互いタイアップした時に一緒に考えていけるかどうか、プロフェッショナルであるかどうか、ということです。例えば、企業が持っている店舗の一部をNPOに開放し、共にお店づくりを展開する場合、NPOの人には責任を持ってその売り場を担当してほしいですよね。具体的には、流通業が福祉施設の作業所にスペースを提供して、障害者の自立や資金集めのためのお菓子を販売するとします。その時、お菓子の納期を守れなかったり、店舗の閉店時間前にも関わらず、勤務時間が過ぎたからといってコーナーを放り出したりされると、一緒に仕事をするパートナーとしては問題です。
企業として大切だと私が思うことは、社会とともに歩む「グッドカンパニー」を目指して、社員一人ひとりが社会の一員として考え、さまざまな活動に積極的にかかわるコト。「できるひとが、できることを、できるだけ」を合言葉に、誰もが身近なことから楽しくボランティアに参加できるような支援をすること、社員の「想い」をカタチにするのが私の役割だと思っています。
例えば、毎年2月に軽音楽部と一緒に「チャリティー・バレンタイン・コンサート」を開催しています。社内の軽音楽部はときどき独自でコンサートを催していましたが、あるとき「どうせやるなら、自分たちのコンサートで何か社会貢献が出来ないだろうか」という相談があったんです。そこで、本社のスペースを提供して、毎年バレンタイン・デーにコンサートを催し、チケットの収益と、全社から集める社員個人の寄付のすべてを合わせて、タイの子どもたちに奨学金として寄付することにしました。そのために、実際にタイで奨学金プログラムを実施し、子どもたちの進学を応援しているNPO「日本民際交流センター」と協働しています。
コンサートでは毎年、NPOのスタッフがタイやラオスの子どもたちの現状を分かりやすくお話ししてくださり、現地からの活動報告もしてくれます。会場からは「うちの会社はこんなこといいことをやっているのか。」とか、「タイやラオスでは、子どもたちがろくに学校にも行けない現実があるのか。」という反応が、「へーっ!」という言葉になって返ってきます。社員のちょっとした想いを全社に広め、現地で活躍するNPOとつなぐことで、「社会貢献をやっている」という感じではなく、なんだか楽しみながらいいコトができてしまう。それだけでなく、今まで知らなかったことに目を向けることにもなります。そんな「気づき」を提供してきたバレンタイン・コンサートのおかげで、通算50人もの子どもたちが学校に通えるようになりました。
古い社会をこわして、市民社会をつくりあげる主役たるべきNPO。企業とNPOが組むときには、どちらが優位に立つとか、立場の強い弱いではなくて、相談しながらいっしょにプロジェクトをつくりあげていきたいと思います。そうでないと企業だってパワーを注げません。「いいことしているのにどうして分かってもらえないの?」ではなく、NPOやNGOにも、社会貢献という意識が特にない人にも響くような「伝え方」はあるはずです。例えばことば一つにしても、他の人に伝わらない言葉で説明したのでは、「へーっ!」という反応は返ってきません。
お互いが責任を果たしてプロフェッショナルな仕事をしてこそ共感をよべるし、プロジェクトの成功に結びつくのだと思います。それは何もNPOが企業と組むときだけの話ではなく、NPOにとって支援者を増やすためにも同じコトがいえるのではないでしょうか。たくさんの「へーっ!」を引き出しながら、市民社会を創り上げてゆくNPOでいてほしいと思います。
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山ノ川 実夏
(やまのかわ みか)
三井住友海上火災保険株式会社 総務部社会・環境グループ 主任
津田塾大学学芸学部卒業。1984年4月、住友海上入社、社長室に勤務。1991年同室に新設された100年事業推進チームで、創業100年(1993年)に向け記念事業の準備を担当。若手社員の意見により事業に「社員の社会貢献活動」が盛り込まれ、担当者として、1991年11月、社会貢献活動事務局長に任命される。1992年2月、チャリティー・バレンタインカードを考案し、社内外で好評を得るとともに、この経験がその後のチャリティー・クリスマスカードのヒントとなる。1993年5月、社員のボランティア組織「住友海上100クラブ(ハンドレッド・クラブ)」を立ち上げ、社員のさまざまな活動をサポート。2001年10月、会社の合併により総務部に移り、引き続き社会貢献活動を担当。100クラブは三井海上のハートクラブと合併、スマイルハートクラブとしてパワーアップした。
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